持続可能な農業を目指して
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「これから始めるGAP ~持続可能な農業を目指して~」
農林水産省から、令和4年5月に発行されたものです。
農林水産省ホームページ、農業生産工程管理(GAP)に関する情報、「オンライン学習ツール」に掲載されています。(2024/1/24)
オンライン学習ツール:農林水産省 (maff.go.jp)
「持続可能な農業を目指して」掲載内容
はじめに | これからの農産物に求められるものとは | |
GAPって? | ||
GAPは日常的な取組 | ||
GAPの実践と認証取得 | ||
次世代につなげる農業 | 食品の安全を守るために農業者ができること | 日本の農産物は本当に安全? |
食品の安全の源流は農業者 | ||
競争力のある農業へ | 農産物が国境を越える時代 | |
日本を取り巻く環境 | ||
GAP がもたらすメリット | GAPの目的 | GAPをすれば儲かる? |
GAPでリスクを管理 | ||
GAPの実践から得られるもの | 現場が変わる・経営が変わる | |
GAP認証が生まれた背景 | GAP認証の誕生の経緯 | |
GAP の実践に向けて | PDCAPlan-Do-Check-Action)の重要性 | |
ルール作りの重要性 | ||
GAPの5つの柱 | 5つの柱とは | |
事例から考えてみよう | 食品の安全を確保する | |
環境を保全する | ||
労働者の安全を守る | ||
労働者の人権を守る | ||
農業経営の効率化・充実を図る |
これからの農産物に求められるものとは
消費者が農産物に求めるものは何でしょうか
- 農産物の安全性
- 農産物の品質
- 安定的な供給
安くて美味しい農産物を生産するだけでよいのしょうか?
農業生産における持続可能性を確保することが大切
持続可能性を追求する動きは、世界に広がっています。
これからの農産物に求められるものは、持続可能な取組によって生産された農産物です。
「GAP」に取り組むことで、農場経営の改善を図ることも可能になります。
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GAPって
GAPは、Good Agricultural Practices の頭文字をとった言葉で、直訳すると「よい農業のやり方」という意味ですが、一般的には「農業生産工程管理」と呼ばれています。
GAP は、以下のような5分野の取組を行います。
- 農産物汚染や異物混入の防止といった食品安全の取組
- 化学農薬・化学肥料の使用量低減などの環境保全の取組
- 農作業の安全確保や健康状態への配慮などの労働安全の取組
- 労働環境の整備や労働条件の遵守などの人権保護の取組
- 責任者や役割分担の明確化や教育訓練の実施といった農場経営管理の取組
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GAPの実践と認証取得
「GAP に取り組む」とは
農業者が GAP の取組を自ら実践することです。
「GAP 認証をとる」とは
GAP 認証は、第三者機関の審査により GAP が正しく実施されていることが確認された証明のことです。
GAP 認証をとることで、これにより GAP を実施していることを客観的に証明することができますが、審査には費用がかかります。
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GAPをすれば儲かる?
GAPに取り組むと他の農産物と差別化ができて高く売れるようになるかというと、それはちょっと違います。
GAPの取組を行うことによって作業手順の標準化や効率化が図られ、さらに安全性が確保され、その結果としてよい農産物を作り出すことにつながります。
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GAP認証の誕生の経緯
GAP 認証は、1990 年代にヨーロッパで誕生しました。
現在、GAP 認証は、世界中でさまざまな種類が存在します。生産地域の状況や取引先のニーズ等に応じて取組基準等が設定されていて、それぞれ内容が異なります。
日本では主に、GLOBALG.A.P.、ASIAGAP、JGAP の3種類が第三者認証として普及しています。
GLOBALG.A.P.
ドイツのフードプラス(FoodPLUSGmbH)が策定したGAP 認証であり、主に欧州で普及しています。
ASIAGAPおよびJGAP
一般財団法人日本GAP協会が策定した日本発のGAP認証です。
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ルール作りの重要性
GAPでは、自らの農場で課題を見つけ、それをもとに点検項目や取組内容、各種規定を決めていきます。
法令を遵守することはもちろんですが、自分たちの農場に最も適したルールを作成します。
ルール作りで大切なことは、「なぜこうするか?」です。
だれが見てもわかるようにルールとして具体的に作成します。
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GAPに取り組めば、この「なぜ?」という気づきが増え、考える力が向上します。
問題が起こる前、どこかで「あれ?」と思ったことがあるはずです。そういった日常に隠れている小さなリスクに気づき、適切に評価・対応することが重要です。
5つの柱とは
食品安全
環境由来の重金属やかび毒等による汚染を防止・低減する対策、農薬の適正な保管・使用、病原微生物による農産物の汚染防止、異物の混入防止、収穫した農作物の適切な保管など、食品の安全を保つためのルール作りを行い、実施します。
環境保全
農薬による環境汚染の防止、適切な土壌管理、適切な廃棄物処理方法・排水処理、施設・機械等の使用時の無駄・非効率なエネルギー消費の削減など、農場および周辺の環境の安全を守るためのルール作りを行い、実施します。
農作業安全
危険な作業の把握、安全に作業を行うための服装や保護具の着用、機械等の適正な使用、燃料の適切な保管、警告標識の掲示、年齢を考慮した作業計画・役割分担、応急処置訓練講習会の受講など、作業従事者の安全確保のためのルール作りを行い、実施します。
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人権保護
性別・国籍・出身地・宗教による差別の禁止、雇用契約の締結、就業規則の作成、休憩場所・休憩時間の確保、社会保険・労災保険への加入など、作業従事者の基本的人権を守るためのルール作りを行い、実施します。
農場経営管理
農場のルールの決定、責任者の決定による役割分担の明確化、教育訓練の実施、農作業の記録の作成・保存など、農場経営にとって必要なルール作りを行い、実施します。
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このページの内容は、農林水産省が令和4年5月に発行された。
「これから始めるGAP~持続可能な農業を目指して~」を引用しています。